Javaで「動けばいい」コードから「効率よく動く」プロのコードへ。
今回は、アルゴリズムの大きな変更ではなく、日々の書き方ひとつでJavaの実行エンジン(JIT)やCPUの性能を最大限に引き出す**「マイクロチューニング」**の手法をまとめました。
🚀 まずはここから!優先度【高】の3箇条
時間が限られているなら、この3つを見直すだけでも劇的な効果があります。
1. 文字列:ループ内の結合は StringBuilder を徹底する
Javaの String は不変(Immutable)なオブジェクトです。ループ内で + 演算子を使うと、その度に新しい文字列オブジェクトがメモリ上に作られ、処理が指数関数的に遅くなります。
対策: ループ内では必ず
StringBuilderを使いましょう。これだけで数分かかっていた処理が数秒になることもあります。
2. 型:プリミティブ型を優先して「ボクシング」を避ける
Integer などのラッパークラスは、計算のたびに「箱詰め(ボクシング)」という変換処理が発生し、メモリを浪費します。
対策: 計算には必ず
intやdoubleを使い、CPUが直接計算できるようにしましょう。
3. ループ:不変の計算をループ外へ追い出す
for (int i = 0; i < list.size(); i++) と書くと、毎回 size() が呼ばれます。
対策:
int size = list.size();と事前に変数へ代入(キャッシュ)し、無駄なメソッド呼び出しを削ぎ落としましょう。
🛠 CPUを味方につける優先度【中】のテクニック
4. 条件分岐:if文は「期待値」の高い順に並べる
Javaの if-else if は上から順に判定されます。8割のデータが通るメインルートを一番上に置くだけで、残りの判定をすべてスキップできます。
5. 分岐構造:多数の条件は switch 文で「ワープ」させる
条件が5つ以上なら switch 文が有利です。
仕組み:
switchは内部で「ジャンプテーブル」を作成します。上から順に探すif文と違い、特定の処理へ一瞬でワープできるため、条件が多くても応答速度が一定に保たれます。
6. メモリ配置:配列を1次元にしてキャッシュ効率を高める
2次元配列 data[x][y] は、Java内部では「配列の配列」という複雑な構造です。
対策: これを1次元配列
data[x * width + y]にすると、データがメモリ上に一直線に並びます。CPUは「隣接したデータ」をまとめて読み込むのが得意(キャッシュヒット)なため、アクセス速度が跳ね上がります。
🧪 JITコンパイラと並列処理の優先度【深】
7. 定数活用:static final でコンパイル時に計算を終わらせる
static final で定義された定数同士の計算は、実行前に結果が算出される「定数畳み込み」が行われます。実行時の計算コストをゼロにできる魔法のスイッチです。
8. 設計術:メソッドを短くして「インライン展開」を促す
JITコンパイラは、頻繁に呼ばれる短いメソッドを呼び出し元に埋め込む「インライン展開」を行います。
コツ: 1つのメソッドを短く保ち、
finalやprivateをつけて上書きを禁止すると、この最適化がかかりやすくなります。
9. ソート:大量データには Arrays.parallelSort を使う
Java 8から登場した parallelSort は、マルチコアCPUを活用して並列にソートします。
使い分け: 数十万件を超える巨大な配列なら、通常の
sortよりも数倍速くなる可能性があります。
🏁 まとめ:速いコードは「コンピュータへの思いやり」
今回紹介した9つのテクニックは、どれも「CPUやコンパイラがどう動きたいか」に寄り添ったものです。
StringBuilder:文字列結合の基本。
プリミティブ型:計算の王道。
ループ外計算:メソッド呼び出しを最小化。
if文の順序:確率順に並べる。
switch:多条件ならワープ。
1次元配列:メモリを一直線に。
定数:事前計算。
インライン化:メソッドは短く。
並列ソート:大量データに。
可読性を壊さない範囲で、これらの工夫を積み重ねてみてください。
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