1. 導入:プログラムは「動かすもの」ではなく「読むもの」
プロのプログラマーを目指す過程で気づいた、大切な真理があります。それは**「プログラムはコンピュータが実行する時間よりも、人間が読む時間の方がはるかに長い」**ということです。
動作すれば何でもいいわけではなく、未来の自分やチームメンバーが迷わずにコードを理解できるか。その鍵を握るのが、変数やクラスに名前をつける「ネーミング(命名規則)」の探求です。
2. 代表的な3つの記法と使い分け
名前の付け方には、代表的なスタイルがいくつかあります。まずはこれらを正しく使い分けることが第一歩です。
キャメル記法 (Lower Camel Case)
2つ目以降の単語の先頭を大文字にする形式です。 (例)customerCode, orderDate 主な用途:Java/JavaScriptの変数・メソッド名
パスカル記法 (Upper Camel Case)
すべての単語の先頭を大文字にする形式です。 (例)CustomerCode, UserOrder 主な用途:Java/C#のクラス名
スネーク記法 (Snake Case)
単語をアンダースコア _ でつなぐ形式です。 (例)customer_code, total_price 主な用途:Pythonの変数名、データベース(SQL)のカラム名
アッパースネーク記法 (Screaming Snake Case)
すべて大文字で記述する形式です。 (例)MAX_RETRY_COUNT, DEFAULT_TIMEOUT 主な用途:言語を問わず「定数」に使用
3. プロの現場と「コーディング規約」
実際の開発現場では、個人が好き勝手なルールで名前を付けることはありません。
通常は組織ごとに**「コーディング規約」**が定められています。これを守ることは、チーム開発における「共通言語」を話すようなものであり、プロとしての重要なプロセス要求の一つです。
もし、所属する組織に明確なルールがない場合はどうすべきか?その場合、世界中のプロが手本にしている**「標準ガイドライン」**を参考にするのが正解です。
4. 迷ったらこれを見ろ!世界基準のスタイルガイド
一流のIT企業やコミュニティは、自社のコーディングルールを公開しています。これらに目を通すだけでも、プロの視点が学べます。
Google Style Guides Googleが公開している各種言語(Java, Python等)のスタイルガイド。
非常に厳格ですが、その分一貫性は抜群です。
MDN Web Docs (Mozilla) - JavaScript guidelines
Web標準のバイブル。JavaScriptを探求するならMDNは外せません。読みやすいコードのベストプラクティスが凝縮されています。
https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/JavaScript
Javaの総本山による規約です。現在の多くのJavaプロジェクトの基礎となっています。
Oracle Java Code Conventions
Javaの総本山による規約です。現在の多くのJavaプロジェクトの基礎となっています。
5. 「意味のある名前」が不変条件を守る
ルール(記法)を守るだけでなく、中身の名前も重要です。
プログラムには「この変数は常に正の数でなければならない」といった**不変条件(Invariant)**が存在します。
例えば、データの個数を表す変数を単に n とするのではなく、 userCount と名付ける。こうすることで、その変数が何を表し、どのような状態を保つべきかという意図が読み手に伝わり、バグの早期発見にも繋がります。
6. まとめ:命名は「思いやり」の表現
探求を通じて、命名規則とは単なる「書き方の決まり」ではなく、**次にそのコードを読む人への「思いやり」**なのだと強く感じました。
これまで構築したIntelliJ IDEAやTomcatの環境でコードを書く際も、この「思いやり」を常に意識していきたいと思います。読みやすいコードを書くことは、プロのプログラマーとしての最大の技術力なのかもしれません。
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